仕事の楽しさも充実感も十分知っているだけに、高齢出産のママは仕事の続行を決める人が大多数。出産後も仕事を続けられるように、職場の上司や仲間、制度を味方につけましょう。

妊娠の報告は早めに

妊娠を期待していた人も予定外だった人も、産婦人科で正式に診断されたら、勤務先へ報告しましょう。

会社での立場や仕事の状況によっては、上司に切り出しにくい人もいるでしょうが、いずれは分かることです。まずは仕事を続けるのかを夫婦で話し合った上で、配置転換の希望や職場復帰の時期などを検討して、流産の可能性が低くなる妊娠10〜12週頃を目安に上司に伝えます。
また、職場の就業規則や社内規定などを人事部に確認すること。
更に、先輩の話が聞ければ、問題点や注意点を教えてもらいましょう。

【働く妊婦を守る法律】
労働基準法や男女雇用機会均等法に加えて育児介護などには、妊婦を守るために次のような制度が定められています。会社や職場によって多少異なりますが、ワーキングママの権利ですので、遠慮しないで職場に申し出ましょう。
  • 産前産後休暇
  • 出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)、出産後8週間の休みが保障されています。
  • 配置転換の要求
  • きつい仕事から軽微な仕事への配置転換を申請できます。
  • 危険有害業務・重量物業務の禁止
  • 毒ガス・有機溶剤・落下などの危険性がある仕事や20kg以上の重量物を扱う仕事に就かせることを禁止しています。
  • 深夜業・時間外労働の制限
  • 深夜勤務や残業は拒否できます。
  • 変則労働業務の拒否権
  • 交代制などの勤務は拒否できます。
  • 休憩・フレックスタイム制の利用
  • 医師の診断があれば、多めの休憩時間の確保や時差出勤ができます。
  • 通院休暇の利用
  • 健診などの通院時間がとれます。
  • 解雇制限
  • 妊娠や産休を理由に解雇することはできません。
  • 育児を支援する法律
  • (育児休暇)
    赤ちゃんが満1歳になるまで、両親のどちらか一方が利用できます。交互にとることもできます。
    (育児時間)
    赤ちゃんが1歳になるまでは、休憩時間のほかに一日2回、少なくとも各30分の育児時間をとれます。
    (男女労働者のための措置)
    3歳未満の子を養育する男女労働者のために、事業主に対して、次のいずれかの措置を講じるように法律で定めています。
    ・育児休業制度
    ・短時間勤務制度
    ・フレックスタイム制
    ・始業、就業時刻の繰り上げ・繰り下げ
    ・所定外労働の免除
    ・託児施設の設置運営、育児費用の援助措置

働く上でここが心配

通勤 朝のラッシュを避けるための時差出勤や勤務時間の短縮が認められているので、上司に相談を。
また、満員電車を避ける工夫や気分が悪くなったら途中下車するなど、対策を講じることが大切です。混雑から身を守るために、自治体によっては妊婦をアピールするマタニティバッジを配布しています。
仕事 母体や赤ちゃんに悪影響を及ぼすような身体的にきつい仕事を換えてもらったり、残業や休日出勤を断ったりできる権利があります。
希望の部署への配置転換は無理ですが、体調に合った業務に変更してもらえるように上司に相談してみましょう。
解雇 妊娠・出産を理由に解雇することは禁止されています。
また、産前産後休暇や、育児休業をとることを理由に解雇することもできないことになっています。職場の就業規則や社内規定を確認しておきましょう。

職場での人間関係を大切に

母体を保護する制度は妊婦さんに与えられた当然の権利ですが、そのシワ寄せは同僚たちに向けられます。

そのため、周囲の理解や協力がなければ、ワーキングママが妊娠・出産・育児を乗り切るのは困難といえます。

職場での人間関係を円滑に保つことは妊婦さんに限らず難しいもの。
まずは、妊娠中も復帰後も気持ちよく働くために、同僚たちの反感を買うことなく上手に付き合う必要があります。
それには、感謝の気持ちと誠意を常に示すことが大切です。
健診のために休むのも、時差出勤するのも当然という態度や、妊娠を理由に甘えを見せるようなことは慎みます。
そして、何事にも「迷惑をかけるけれど、よろしくお願いします」「有難う」の言葉を添えて、感謝の気持ちを相手に伝えるようにしましょう。

職場での過ごし方

【初期】妊婦の自覚も少なく、外見からも分からない時期。流産に気をつけて
・12週頃までに上司に報告を。
・自分を過信せず、流産に気をつけて無理をしないこと。
・自分なりのつわり対策で、乗り切る工夫を。
・通勤や移動時の電車の乗り方に気をつける。
【中期】安定期なので、体を十分に動かせる時期。仕事がはかどり充実した毎日を
・デスクワークが多い人は時々、体を動かすように。
・ランチの摂り方に気をつける。
・おなかが目立ち始めたら、機会を見て取引先に妊娠を伝える。
・動きが制限されてくるので、余裕を持って行動する。
・急に休むことになっても仕事に支障が出ないように整理しておく。
【後期】大きなおなかを抱え、動きが鈍くなる時期。相撲取り気分でどっしりと
・おなかが張ったり疲れを感じた時は仕事の手を止めて、ひと休み。
・大きなおなかに圧迫されて不快な症状が多くなるので、体調管理に気を配る。
・産休前の引き継ぎの準備を早めに始める。
・緊急時に慌てないように、準備や対応を考えておく。
・ほかの部署の人にもあいさつしておく。

産後も仕事を続けるために

出産後も仕事を続けることは妊娠中以上に大変です。
体力的な問題や育児が中途半端になる不安も大きいのですが、休んでいる間に雰囲気が変わり、馴染めなくて退職する人が少なくないようです。
職場に戻りやすくするには、休暇中に上司や同僚との連絡を蜜に取ることです。定期的にメールを入れたり、個人的に親しい同僚に話を聞いたりしておくと、ブランクをスムーズに埋められます。
また、自分の頑張りだけでは空回りしてしまいます。パパや家族の協力を支えにして、仕事も育児も上手にこなせる環境を整えるように努めましょう。

体のことを最優先に考えよう

働く妊婦はトラブルが多い

「妊娠したからといって、仕事は一切手を抜かない。」と頑張ってしまう人が多いからでしょうか。特に高齢出産のワーキングママは、切迫流産や切迫早産、妊娠高血圧症候群などのトラブルに陥りやすいようです。
おなかの赤ちゃんを守ってあげられるのは、ママだけです。
仕事がどんなに忙しくても、出産までは無事に赤ちゃんを産むことを最優先にしたいものです。
仕事も家庭も、手を抜けるところは徹底的に目をつむり、体を休める時間をつくりましょう。
また、出血や下腹部痛があれば、次の健診日を待たずに受診しましょう。

【オフィスで】
  • つわり対策として、キャンディやミニ煎餅などを机に用意
  • 冷え対策に、ひざ掛けやカイロを活用
  • 疲れたら、ストレッチをしたり、外の空気に当たったりしてリフレッシュを
【通勤で】
  • 始発駅から乗る、各駅停車を利用する、気分が悪くなったら途中下車して休むなど余裕のある移動を
  • 靴はローヒールにして、立っている時は、つり革や手すりに必ず捕まる
【家庭で】
  • 夜はゆっくりとお風呂に入る
  • 帰宅後はパパに手伝ってもらって、のんびりと過ごす

つらい時は思い切って休もう

つわりなどで体調が悪い時は、思い切って欠勤や早退して体を労りましょう。

周囲への迷惑を気にしがちですが、辛そうにしながら働いている方が周りは気を遣います。
誰でも妊娠前のようにはいかないものだ、くらいに割り切ってくよくよしないこと。
この程度のストレスに過敏になっていては、これから先も仕事を続けるのは大変です。
更に、無理をして取り返しのつかないことになったら、自分だけでなく周囲の人も後悔するでしょう。仕事での迷惑は後で穴埋めできますし、自分がいなければいないでなんとかなるものです。
休みにくい時は、医師に診断書を書いてもらうとよいでしょう。

産休に備えて準備を

産休が近づいてきたら、仕事の引き継ぎの準備をしましょう。
後任者には口頭だけでなく、自分がいなくても分かるように仕事の進行状況やデータの整理をして、注意点を細かく書き出しておくのです。
また、自分の連絡先を明確にしておきます。相手の立場に立ち、戸惑うことがないようにしておくことが大切です。また、メールを活用して特別な用事がなくても連絡を入れるとよいでしょう。
母性健康管理指導事項連絡カード 医師から自宅安静、労働制限などの指示や注意を受けた時は、母性健康管理指導事項連絡カードを利用しましょう。
医師に具体的な指導事項を書いてもらい、会社に提出すれば休暇などの措置をとってくれます。
カードは病院または各都道府県の労働局雇用均等室、厚生労働省のホームページで入手できます。

先輩ママの体験談

休んで楽になった

つわりによる、ひどい吐き気と眠気の毎日に、仕事どころではなくて我慢できずに2日間の休みを申し出ました。後ろめたさはありましたが、しっかり休めたことで随分、楽になりました。
それからは、無理をしないように心がけ開き直れた気がします。

大きなおなかで出張

部下の失敗をフォローするために、妊娠8ヶ月にもかかわらず出張しました。
スケジュールに気をつけたのですが過労による切迫早産を起こし結局、出産まで管理入院するハメに…。仕方ないですね。

悔しいけれど退職を決意

キャリアママを目指そうと頑張ったのですが現実は厳しく、職場も「やめたら…」という雰囲気が見え見えだったので思い切って退職。落ち込みましたが、今は子育てと充電時期と割り切り、何年後かの社会復帰を目指すことにしました。

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